村田先生は、校長先生や他の先生たちにも読んでもらうよう、私の作文を渡した。そして先生はよく考えた末に、近いうちに行われる弁論大会に参加するよう私を駆り立てた。私は校内の大会に参加し、全校生徒の前で話をした。そしてその直後、私は村田先生に職員室へ呼び出された。私は先生のことをより深く信頼できるようになっていた。時々、黒松の木のことを思い出し、先生に父の面影を見ていた。


先生は私を見つけると、早く来るようにと手招きした。職員室に入った瞬間、そこにいたほとんどの先生たちは今まで見たことのない反応を示した。
「胤森、いい知らせだ。学校にとって一番のニュースだぞ。」
先生の微笑みは、私が新年に決心して以来、ほとんど攻撃的な態度がなくなり落ち着いた振る舞いになったことを確認したように思えた。まるで地平線上に有望な期待の星が出たようだった。
「いい知らせ? そんなことないでしょう。」
私は謙遜しながら小声で言った。先生は、高田中学校で行われる地区の弁論大会に、学校代表として私が選ばれたことを伝えた。6つの中学校から選ばれた12人で開催される大会ということだった。私は自分の耳を疑った。私はどんな演説クラブにも入っていなかったし、ましてや地区大会で学校代表になるなんて夢にも思っていなかった。私は断ろうとしたが、聞き入れてもらえそうもなかった。そのため、私は弁論クラブに参加しなければならなくなった。


私は何度も先生に気が確かか尋ねた。そのクラブには、まだ実績がなかった。クラブに入っている生徒たちは、学校の中でも数少ない変わり者か、現実から逃避したような哲学を論じるような知識人だった。彼らはいわゆる普通の子どもではなかった。私は、社会を拒否する反抗的なこの生徒たちと一緒に協力し合っていけるか心配だった。しかし私は、哲学の深さと重要さばかり話しているような彼らに、今までにないような大歓迎を受けた。私は自分の居場所を見つけた。


大会の日が近づくとともに、校長先生が私たちを激励した。私の話がクラブの期待の星となり、学校にトロフィーをもたらすだろうと期待されていることに気づいた。これは私にとって全く新しい経験だった。今までこのような形で注目されたことはなかった。いつも真似してはならない者として見られていたのに・・・。私は成長し、発展し、危険なものを脱ぎ捨てて、自分のために巨大な変容を遂げたのだ。生徒や先生たちは、私を一番にしたいために一生懸命だった。この状況を生かすも殺すも私にかかっていた。うまくいけば認められ、失敗すれば笑いの種になるかもしれない。