1964年2月14日に行われたバレンタイン・スイートハート・パーティーでの公式デートで、ジョイスと私は3組のカップルと共に、相手の半径約15cm以内に近づいてはいけないという校内の風紀規定に引っかかり、不適切な方法で女性の太ももに触れたという罪で通報された。風紀委員会の委員長ダグラス・ダーフィー氏が、私達1人1人の顔を見ながら指を振った。
「若者よ、君達があのような不愉快で罪深い無作法なことをしたと知って、私はぞっとしたよ。君達がここに来たのは、私達が君達を訓練するためでもあるが、もっと大切なことは、神の神聖さと罪に対する天罰を教えるためである。」
仏頂面を私達に向け、自分の方が信心深いという顔をした。女子部委員長のクリーク夫人も厳しく言い放った。
「私は女子部委員長を過去10年間務めてきましたが、クリスチャン女性とそうでない女性の振る舞いの違いが分からなくなってしまう日が来るなんて、思ってもみませんでした。近頃の本学の若い女性のふしだらな振る舞いを見るのはショックです。どうしてあなた達はこの若者にあなた達の最も神聖なものを汚すことを許したのか・・・。あなた達には非クリスチャンのような振る舞いに対する償いをわかってもらう必要がありますね。」


私達は、アメリカで最も保守的なバプテスト・カレッジに在籍していた。カレッジにはハリウッド映画のような汚れた場所の“罪”に妥協する余地はなかった。ダフィー氏は続けた。
「そして君達、よくもそれで将来神に仕えるなどと言えたものだな。そのようなふしだらな行為は結婚するまでしてはならないのだ。私は結婚して20年になるが、未だに妻の太ももには触れてもいない。」
(もううんざりだ!)私達は感情の爆発を抑えきれなくなっていた。悪態をつきそうになるのをどうにかこらえていた。ボブ・シンクリアが思わず口を滑らせた。
「ダフィーさん、教えて下さい。奥さんの太ももに触れたことがなくて、どうやって3人のお子さんを授かったのですか。お子さんたちは養子ではないようですが。」
「それは、純潔な受胎だよ。」


私は、純粋なダンスがどうしてこんなに見苦しく馬鹿げた問題になってしまったのかとあきれ返っていた。私達は不道徳な罪を犯したとして非難された。風紀委員長や委員会のメンバーが私達に神の神聖さを教える権利があるなど、とんでもない考えだ。私達がいったい何をしたというのだ。私達にはそれぞれ50点の罰点が言い渡され、態度の悪さからさらに25点の罰点が追加された。